平四郎危機一発 (1967)
石坂浩二が本格的な主演となった最初ではないかと思うんですよね。
題名が画面上では、『平四郎危機一発』。昔はこの誤記、多かった(笑)。
TBS土曜夜9時台が一時間枠となった最初の番組でもあって、
それが捜査系活動ドラマという事で、以後の『キイハンター』等に続く事となります。
主人公の九条平四郎は、花の栽培やカフェテリア等をこなしている青年実業家。
しかし彼は、探偵マニアという側面が有って、大川栄子の演じる恋人のリサの
おじさんが捜査一課の警部である事から、何かと事件に首を突っ込み、解決するという具合。
少し前に同じTBSでやっていた『月曜日の男』に近い感じで、
こちらも国産ながらスポーツカーを乗り回す金持ちで、男前。
車は、初のロータリーエンジン搭載、マツダ・コスモスポーツと、
国産とは言えマニアにはやはり垂涎の堂々たるスポーツカー。
やはり探偵かぶれというか、好きが高じた名探偵で、
月曜日の男は空手の達人でしたが、こちらは学生時代はフェンシングのチャンピオン。
エンディングは、傘をフェンシングの剣のように振り回す画面でしたが、
あれって子供が真似したら危ないって苦情が有ったと思うんですよね。
でも、テレビでやらなくても傘を剣替わりにするのは、子供は必ず通る道なのですが(笑)。
石坂浩二の本名は武藤兵吉で、だから本名を知っている人間には
「へいちゃん」と呼ばれているわけですけど、おそらくその辺から、
主人公の名前も平四郎になったのでしょうね。
また、『月曜日の男』の持統院丈太郎に音を近づけているのも有るでしょう。
そちらを演じた待田京介とは打って変わって、飄々とした肌合いの二枚目である
石坂が演じたこの探偵も、なかなか新しい味を出していたと思います。
けれども、初の大役という事でか、神経性胃潰瘍となり、一ヶ月の休養という事態に。
12月からは宝田明が後任を務め、題名は替わらなかったものの、
固定出演者は大きく入れ替わる事となりました。
そして、平四郎に助手が出来るのですね。
それで通算2クール、半年続いたのですが、評判は上々だったのでしょう。
一年半ほどした昭和44年秋から、曜日を水曜に替えて、
『新平四郎危機一発』が制作されました。
相変わらず「一発」なので、誤記ではなかったのでしょう。それか意地か(笑)。
大きな違いは、カラー化された事。
主役は同じ宝田明だったのですね。当初は。
44年10月29日より、既に始まっていた『キイハンター』で人気の千葉真一の弟、
千葉治郎が固定出演者に加わりました。
更に特別出演者の方も、当時ボクシング現役世界王者の西城正三や、
異色の歌手として注目されたカルメン・マキなどを出演させるなど、テコ入れ充分。
11月12日「バラが泣いている」では、かつて同じTBSの『七人の刑事』で
刑事の一人をやっていた城所英夫が国際情報団の一味として出演し、
殺人までするという悪役への変貌ぶり。
ところが、これを捕らえる役だったのが、やはり七人の刑事の一人だった
菅原謙二という因縁で、菅原の心境は複雑だったようですが、
城所は明るく、「僕は前から悪役をやりたかったんですよ。
だから気にしないで下さい」と、菅原を思いやったのでした。
12月24日『病める麦』は、今では声優として有名な池田秀一が、
裕福な家の子供ながら、家から宝石を持ち出してしまうという役柄で出演。
平四郎たちは、少年が罠にかかっていた事を知るというものでした。
これが宝田明最後の出演回となったようですね。負傷してしまったとの事なのですが。
1月7日放送分では平四郎が登場せず(爆)、14日から浜畑賢吉が三代目・平四郎に。
この回で、刑務所から出所した元ヤクザで腕利きの殺し屋・直治を、
また悪の道に引きずり込もうとするヤクザから平四郎が救い、直治は平四郎の仲間に。
直治を務めた郷鍈治と同時に、四方晴美も固定出演となりました。
それにしても、主役が全うできない因業を背負った番組でした。
ご自身の想い出、この記事への感想、情報、なんでも結構です。
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題名が画面上では、『平四郎危機一発』。昔はこの誤記、多かった(笑)。
TBS土曜夜9時台が一時間枠となった最初の番組でもあって、
それが捜査系活動ドラマという事で、以後の『キイハンター』等に続く事となります。
主人公の九条平四郎は、花の栽培やカフェテリア等をこなしている青年実業家。
しかし彼は、探偵マニアという側面が有って、大川栄子の演じる恋人のリサの
おじさんが捜査一課の警部である事から、何かと事件に首を突っ込み、解決するという具合。
少し前に同じTBSでやっていた『月曜日の男』に近い感じで、
こちらも国産ながらスポーツカーを乗り回す金持ちで、男前。
車は、初のロータリーエンジン搭載、マツダ・コスモスポーツと、
国産とは言えマニアにはやはり垂涎の堂々たるスポーツカー。
やはり探偵かぶれというか、好きが高じた名探偵で、
月曜日の男は空手の達人でしたが、こちらは学生時代はフェンシングのチャンピオン。
エンディングは、傘をフェンシングの剣のように振り回す画面でしたが、
あれって子供が真似したら危ないって苦情が有ったと思うんですよね。
でも、テレビでやらなくても傘を剣替わりにするのは、子供は必ず通る道なのですが(笑)。
石坂浩二の本名は武藤兵吉で、だから本名を知っている人間には
「へいちゃん」と呼ばれているわけですけど、おそらくその辺から、
主人公の名前も平四郎になったのでしょうね。
また、『月曜日の男』の持統院丈太郎に音を近づけているのも有るでしょう。
そちらを演じた待田京介とは打って変わって、飄々とした肌合いの二枚目である
石坂が演じたこの探偵も、なかなか新しい味を出していたと思います。
けれども、初の大役という事でか、神経性胃潰瘍となり、一ヶ月の休養という事態に。
12月からは宝田明が後任を務め、題名は替わらなかったものの、
固定出演者は大きく入れ替わる事となりました。
そして、平四郎に助手が出来るのですね。
それで通算2クール、半年続いたのですが、評判は上々だったのでしょう。
一年半ほどした昭和44年秋から、曜日を水曜に替えて、
『新平四郎危機一発』が制作されました。
相変わらず「一発」なので、誤記ではなかったのでしょう。それか意地か(笑)。
大きな違いは、カラー化された事。
主役は同じ宝田明だったのですね。当初は。
44年10月29日より、既に始まっていた『キイハンター』で人気の千葉真一の弟、
千葉治郎が固定出演者に加わりました。
更に特別出演者の方も、当時ボクシング現役世界王者の西城正三や、
異色の歌手として注目されたカルメン・マキなどを出演させるなど、テコ入れ充分。
11月12日「バラが泣いている」では、かつて同じTBSの『七人の刑事』で
刑事の一人をやっていた城所英夫が国際情報団の一味として出演し、
殺人までするという悪役への変貌ぶり。
ところが、これを捕らえる役だったのが、やはり七人の刑事の一人だった
菅原謙二という因縁で、菅原の心境は複雑だったようですが、
城所は明るく、「僕は前から悪役をやりたかったんですよ。
だから気にしないで下さい」と、菅原を思いやったのでした。
12月24日『病める麦』は、今では声優として有名な池田秀一が、
裕福な家の子供ながら、家から宝石を持ち出してしまうという役柄で出演。
平四郎たちは、少年が罠にかかっていた事を知るというものでした。
これが宝田明最後の出演回となったようですね。負傷してしまったとの事なのですが。
1月7日放送分では平四郎が登場せず(爆)、14日から浜畑賢吉が三代目・平四郎に。
この回で、刑務所から出所した元ヤクザで腕利きの殺し屋・直治を、
また悪の道に引きずり込もうとするヤクザから平四郎が救い、直治は平四郎の仲間に。
直治を務めた郷鍈治と同時に、四方晴美も固定出演となりました。
それにしても、主役が全うできない因業を背負った番組でした。
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